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画家の中村民夫先生が戸谷八商店に来てくださいました。

 

 

 

 

 

 

 

11月8日(金)画家の中村 民夫先生が戸谷八商店に来てくださいました。

 

中村民夫先生は、姉の中学生時代の恩師(美術の先生)です。 

 

2019年4月11日に放送された、NHKEテレ「ふるカフェ系 ハルさんの休日」(埼玉県本庄市人が集う蔵のカフェcafe NINOKURA 二の蔵)においても、個展を開いていることで出演されていました。

 

中村先生の個展は、2019年8月29日~9月3日群馬県高崎市の「YOU HALL」で開催されました。 

姉の尊敬する先生が戸谷八商店に来てくださいまして、とても光栄です。

 

中村先生、このたびは、ありがとうございました!!

 

 


◆中村民夫先生個展パンフレットより

 

【中村民夫個展によせて】

東御市梅野記念絵画館友の会会長

秋山 功

 

この度、中村民夫先生が人物画に特化した個展を開催するとのお話を伺った。待ちに待った展覧会である。私は、この画家の特筆すべき才能、魅力は「自画像」にあると前から確信していたからである。

14歳で堀英治氏(元群馬県立富岡東高校教諭)に師事して以来、デッサンの重要性を説かれ、その教えを頑なに守りデッサンに励んだ。戦後間もない時期ゆえ、画用紙は高価なためわら半紙に描いたという。15歳から16歳までの1年あまりで凡そ2000枚のデッサンを描いたと云うから尋常では無い。結局、描く対象も自分にならざるを得ず、うち450枚が「自画像」になったという。こうした努力と才能は瞬く間に開花し、弱冠15歳で「自画像」を日本水彩連盟展に出品して初入選を果たす。3年後には県展にも「自画像」を出品してこれも初入選、さらにその翌年には、全国最年少で日展に「自画像」が初入選するなど、この作家の「自画像」は若い頃から定評があった。また翌年の日展には後に妻となる同僚の女性をモデルに、「女教師」と題して出品し、連続入選を果たしている。

その後も、こうした実績や評価に驕ることなく熱心にデッサンに励み、1961年の県展では県知事賞、さらに63年には安井賞候補となるなど、その作品はさらに深化し、凄みさえ感じさせる。特にヨーロッパを訪ねたことが契機になり、北欧ルネッサンスの影響を強く受けたことで初心に返り、もう一度写実というものを見直し、自己のものにしてきた経緯がある。このような体験と長い鍛錬を通して培われたデッサン力により、現在の「自画像」では、自己の有り様を意識することなく、変幻自在に表現できる技術が身につき線描による中村独自の作風が生まれ、それは今なお修練を継続していることで簡略化され進化し続けている。

今回の展覧会はこの作家の十代から現在に至る、これまでの70年に渡る「自画像」の透徹した描写力とその変遷を一覧できる待望の企画であり、「美とは何か」を改めて考えさせたり、「本物の美」に出会える貴重な機会となることだろう。

 

 

【2019個展に際して】

中村民夫

 

この度の個展「自画像のさらなる展開」は私がかつて個展等で発表してきた極めて具象性の強い作品から大きく変わってきたと感じることと思います。自分の中では10数年前から作品の傾向として具象性だけではなく、平行して抽象的なものにも挑戦していました。すなわち、対象物(モチーフ)に対しての見方に変化が生じていきました。絵画の純粋な質に対して、違う角度から迫ってみたいと思ったのです。

日々の制作に対する姿勢が、たくさんの作品を描くうちに、「略す」ということで、現在の私の中に方法としての発見があったのです。今までの素描画は、制作するにも長時間であったのですが何度も描くうちに感覚的な描線に次第に変化して、結果的に早描きになっていきました。

出来上がった作品を比べると、対象物の捉え方の違いはありますが、新しい発見と共に魅力的な描線にも思えるのです。私にとってこの成行が自然であり生き生きとしたものとして画面に生気を感じさせていると思います。

 

*略す=緻密から進化した描く技法

●出品歴/水彩連盟展・白日会展・日展・安井賞候補展・藤岡美術会展・麓原会展