先日、埼玉県立歴史と民俗の博物館でNHK大河ドラマ特別展『青天を衝け~渋沢栄一のまなざし~』に行ってきました。(その時の様子はこちらです。)
観覧後、博物館内のパンフレットコーナーに、「渋沢栄一翁玄孫『渋澤健氏の特別インタビュー』および『市民活動団体(2団体)の活動紹介』の動画配信中」のパンフレットがあったので、早速動画を視聴させていただきました。
埼玉県北部地域振興センターによって企画された『北部地域共助SDGsフォーラム(2021年1月31日開催)』が、新型コロナ感染拡大防止のため中止となったことから、現在YouTubeで動画を配信していただいているとのことです。
埼玉県北部地域振興センターHP 北部地域共助SDGs「未来のために今できること」
◆渋澤健氏(渋沢栄一翁の玄孫)特別インタビュー
テーマ:「渋沢栄一の『論語と算盤』の現代意義~今日よりもよい明日を目指すSDGs~」
【市民活動団体の活動紹介】
①「一般社団法人アツいまち」 代表理事 中島 雄平氏(詳細はこちら)
②「特定非営利活動法人イエローハーツ」 代表理事 田中 一永氏(詳細はこちら)
◆渋澤健氏
コモンズ投信株式会社 取締役会長 兼 ESG最高責任者
シブサワ・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
渋沢栄一翁玄孫。複数の外資系金融機関でマーケット業務に携わり、2001年にシブサワ・アンド・カンパニー株式会社を創業し代表取締役に就任。07年にコモンズ株式会社(現コモンズ投信株式会社)を創業、08年に会長に就任。02年に経済同友会に入会(今年度、幹事およびアフリカ開発支援戦略PT副委員長、国家ガバナンスPT委員、政策審議委員会委員)、UNDP(国連開発計画)SDGImpact運営委員会委員、東京大学社会連携本部シニアアドバイザー、等。著書に「渋沢栄一100の訓言」、「SDGs投資 資産運用しながら社会貢献」、「渋沢栄一の折れない心をつくる33の教え」、「超約版 論語と算盤」、他多数。
◆渋沢家(中の家)家系図
~渋沢栄一翁の玄孫(五代目子孫)の渋澤健氏~
出典:『渋沢家三代』(佐野眞一著)・『AERA』2018年1月22号
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2030年までに達成すべき「世界共通の目標」として、2015年に国連で全会一致で採択されました。
17の目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。 SDGsは国だけでなく、自治体を含め、企業、民間団体等様々な組織の参加を求めています。
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SDGsの目標は、『2030年まで誰一人も取り残さない』です。
渋沢栄一翁の『論語と算盤』の中に以下の言葉があります。
「その経営者一人がいかに大富豪になっても、そのために社会の多数が貧困に陥るようなことでは、その幸福は継続されない」
「正しい道理の富でなければその富は完全に永続することが できない」
渋沢栄一翁のこれらの考え方は、まさに『誰一人も取り残さない』SDGsの目標とシンクロしていると、渋澤健氏は述べられました。
SDGsの考え方がまったく生まれていなかった渋沢栄一翁の生きていた時代に、既に、どの時代であっても「変わらない大切なこと」を見据えていた渋沢翁の洞察力の高さに感動いたしました。
また、渋澤健氏は、「と」の力と「か」の力の違いについて分析され、渋沢栄一翁の最も本質的な特性は、「と」の思考であるとご指摘されました。「か」の力は、物事を分断し、効率を高め、組織運営の点ではすぐれているけれども、すでにあるものを扱っているため、新しい価値が生まれない。一方、「と」の力は対極にある概念を統合しようとする力であり、思考を開放しておく考え方である。矛盾し、不可能なように見えるけれども、「と」のベクトルを保ち続けていれば、新しい発想や価値が生まれてくる可能性がある。SDGsの目標は2030年までに実現するにはとても不可能のように見えるけれども、渋沢栄一翁の本質をなす考え方「対立概念の統合」という「と」の思考がこれからは重要になってくるのではないかと述べられました。
渋澤健氏のインタビューをお聞きして、私たちがいかに「か」の思考に慣れすぎていて、できない面に目を向けて思考停止に陥っているかを実感させられました。コロナ禍の現在だからこそ、混沌の時代を生き、常に新しい価値を創造してきた渋沢翁の考え方「かけ離れた存在、分断した存在を合わせること、一致させようとする姿勢」から学び、時代が変わっても「変わらない大切な価値」として残していかなければと思いました。
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今回の「渋澤健氏特別インタビュー」は、埼玉北部地域振興センターによって企画されました。
2017年のことになりますが、北部地域振興センターの本庄事務所の方には、「中山道最大の宿『本庄宿』の再発見」の手作り冊子を制作してくださいまして、戸谷八商店にも来ていただいてお世話になりました。取材、執筆、イラストすべてが手づくりで、とても読みやすくて感動いたしました。
【再発見シリーズ本 第1弾(中山道)】
◆北部地域振興センター本庄事務所「中山道最大の宿『本庄宿』の再発見」のホームページはこちらです。
◆「中山道最大の宿『本庄宿』の再発見」の 改訂版(その壱とその弐を合わせた改訂版)はこちらです。
【再発見シリーズ本 第2弾(藤岡道)と第3弾(鎌倉街道)】