2021年9月12日(日) 児玉文化会館セルディにて『塙保己一先生 遺徳顕彰祭(いとくけんしょうさい))』が開催されました。

~2021年9月12日は塙保己一先生の没後200年の命日です。~

 

 

9月12日は、塙保己一先生没後200年の命日です。

児玉文化会館セルディにおいて塙保己一先生の遺徳を偲ぶ顕彰祭が行われました。 

 

■総検校塙保己一先生遺徳顕彰会ホームページ

■塙保己一史料館ホームページ 

 


◆主催者献花・あいさつ(本庄市長 吉田信解氏)

本日は、公私ともにご多用の中、ご来賓の皆様をはじめ、多くの皆様方のご列席をいただき、総検校塙保己一先生遺徳顕彰祭を今年も挙行できますことを心から感謝申し上げます。新型コロナウィルス禍の中でございますので、本日も感染予防対策を万全にし、開催させていただきました。

塙保己一先生は、今から275年前、現在の本庄市児玉町保木野(ほきの)にお生まれになられました。幼くして視力を失ったものの、不撓不屈の精神で国学の道を歩まれました。先生は当時、貴重な文献や書物が散逸・消失する恐れがある状況を深く憂慮され、後世に伝えるべき貴重な記録を後の人々に役立ってもらおうと、世のため後のための精神で大文献集となる『群書類従』666冊を編纂されました。また現在の東京大学史料編纂所につながる「和学講談所」の開設を成し遂げています。先生のその清廉潔白なお人柄とその志には、多くの人々が共感し、協力したとのことです。そしてこの偉大な業績と精神は明治以降、遠くアメリカにまで伝わり奇跡の人として称えられるかのヘレンケラー女史も心の支えとして尊敬されました。

私は塙保己一先生を、本庄市の誇れる偉人として称え、また国内外に先生の真心を広く伝えたいと考え、平成19年に『総検校塙保己一先生遺徳顕彰会』を設立いたしました。15年目の本年は、没後200周年の記念の年、本日がそのご命日であります。顕彰会ではこの度、事業部会が中心となって『世のため後のため ものがたり塙保己一』を完成しました。本日おいでになった皆様にお配りさせていただきましたが、今後本庄市内の小学生にお届けする予定です。内容は子どもにも読みやすく、わかりやすいものとなっております。

また、菅野公夫先生に描いていただいた表紙絵や、本庄第一高等学校美術部の皆様に描いていただいた挿し絵も、大変素晴らしい出来栄えです。この表紙絵や挿し絵につきましては、塙保己一記念館(埼玉県本庄市児玉町八幡山368番地 アスピアこだま内)原画展を開催しておりますので、ぜひ足をお運びください。

顕彰会では市民総合大学と連携し、様々な講座を開催いたします。そして12月には、埼玉県主催の『塙保己一賞』と共催して、本庄市が開催する記念大会が計画されています。

また、塙保己一劇化実行委員会では、『群読劇塙保己一物語』の公演を開催していただいております。本日予定しておりました公演は、残念ながら延期となりましたが、10月3日には、ぜひ皆様方にご覧いただきたいと思います。

なお群読劇の特別相談役として演出のご指導賜りました前進座の 志村智雄(しむら のりお)様が今年の5月に亡くなられました。ご生前のご功績を偲び、謹んで哀悼の意を表します。

また顕彰活動にご理解ご協力をいただきこの度、児玉町の株式会社エンマンジ会長の大島様が市内の小中学校や市役所等で置いてほしい瓦製の「座像」を制作されご寄付くださいました。大島様ありがとうございました。

また本日、この後、公益社団法人温故学会の特別協力のもと映画『塙保己一ものがたり(仮)』製作委員会様が、製作したPR動画を紹介する予定となっておりますので、ご覧いただきたいと思います。

尚本日、皆様方に配布いたしました会報誌に今後の記念事業が掲載されております。市民総合大学の公開講座、また塙保己一記念館での特別展示・企画展、そして12月18日の『塙保己一賞』およびその記念大会の内容が書かれておりますので後ほどご覧いただきたいと思います。

 

このように没後200周年、先生の遺徳を世に広める活動はさらに大きく広がりをみせているところでございます。どうぞ皆様方には、今後とも遺徳顕彰事業にご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます。  

 


◆公益社団法人温故学会 理事長 齊藤幸一氏

~200年前のことについて~

顕彰祭没後200周年ということでお招きいただきまして誠にありがとうございます。

ここではいつも塙先生のことをお話させていただいておりますが、本日は200年前のことを振り返ってみたいと思います。

 

先生は75歳になりまして、文政4年(1821年)の1月に京都に行っております。それは、当道座のナンバー2、「二老(にろう)」という立場からいよいよ「総検校(そうけんぎょう)」就任ということの引継作業ということで、1月に行っております。

そうすると、2月6日に嶋波(しまなみ)総検校が亡くなります。

そこで京都所司代から総検校就任の命があって、そこで総検校就任ということになりました。

塙先生は、引継ぎ等の業務を終わらせ、4月に京都をたち、江戸に下ります。本来は京都の方において仕事をしなければならないという決まりがありました。しかし和学講談所のことがありますので、急いで江戸の方に戻り、5月1日に、将軍徳川家斉に謁見をして、そこで総検校の拝命ということが申し伝えられました。

総検校就任は、大名格となり身分制度の厳しい世でありながら大変な出世となりました。

 

ところが、8月くらいになりますと、塙先生は体調を崩してしまいます。

そして、9月12日に亡くなるわけですが、当時の文面から読み解くと、おそらく今日の胃がんであったということがわかります。

 

本来なら9月12日は盛大に葬儀が行われるというところだったのですが、それができませんでした。

というのは、2代目の塙次郎さん、この時は15歳という年だったので、江戸幕府も承認するということができなかったのです。

そこで和学講談所の中山信名(なかやま のぶな)等の人たちが次郎さんに実績を作るということをします。

史料の編纂、続群書類従の編纂等の実績を作り上げて、翌年の文政5年7月になって塙保己一先生の名前において幕府に書面を出します。(保己一先生が)引退をし、倅の次郎に家督を譲りたいということを幕府に提出をいたします。そして、その数日後に今度は塙次郎の名目において父が亡くなったということを提出するということになります。

 

そして、2か月経った9月になって江戸幕府の方から2代目塙次郎を後継者として認めるという書面をいただき、ここに和学講談所の2代目が誕生したということになります。その後、塙次郎さんは大変な学者になって幕末まで父の事業を継ぐということになります。

こうして、塙保己一先生の偉業は、今日まで脈々とつながっていくことになりました。

本日は塙先生の200年前ということで、お話をさせていただきました。本日はお招きをいただきましてありがとうございました。 

 


◆来賓献花・指名献花・全員献花


◆遺徳顕彰会による『世のため 後のため ものがたり塙保己一』の刊行

~塙保己一先生没後200周年記念事業~

 

塙保己一先生没後200周年を記念して、『世のため後のため ものがたり塙保己一』が刊行されました。保己一先生の偉業を伝え、後世に残していくために作られました。

この物語は、今後本庄市内の12の小学校の生徒たち(約3700人)に配布される予定となっています。

内容は子どもにも読みやすく、わかりやすいものとなっております。

 

【発行】総検校塙保己一先生遺徳顕彰会

【表紙】遺徳顕彰会事業部 専門部会相談役(元本庄第一高等学校美術部顧問)菅野公夫氏

【表紙題字】遺徳顕彰会会長 吉田信解市長

【挿し絵】本庄第一高等学校美術部の生徒様

【写真】遺徳顕彰会事業部会長 根岸久氏

 


感謝状贈呈

◆菅野公夫(すがのきみお)様

~『世のため 後のため ものがたり塙保己一』の表紙絵を描いてくださった遺徳顕彰会事業部 専門部会相談役(元本庄第一高等学校美術部顧問)の菅野公夫先生~

 

◆本庄第一高等学校美術部様

~塙保己一先生遺徳顕彰事業『世のため 後のため ものがたり塙保己一』の挿し絵を描いてくださった本庄第一高等学校美術部の生徒様~

 


■『世のため 後のため~ものがたり 塙保己一~』原画展

~塙保己一記念館での「塙保己一没後200周年記念事業」

■会場:塙保己一記念館

■住所:埼玉県本庄市児玉町八幡山368番地 アスピアこだま内

■期間:前期:9/11(土)~10/31(日) 後期:11/2(火)~12/26(日)

■午前9時~午後4時30分/休館日:月曜 ※休日の場合はその翌日 

■入場無料

 

 

『世のため 後のため ものがたり 塙保己一』の表紙絵(菅野公夫氏作)
『世のため 後のため ものがたり 塙保己一』の表紙絵(菅野公夫氏作)

『世のため 後のため ものがたり 塙保己一』の挿し絵(本庄第一高等学校美術部の生徒様作)

 

市内の全小学校に配布される『世のため 後のため ものがたり 塙保己一』の原画展です。

本庄第一高等学校美術部の元顧問の菅野公夫先生と、美術部の生徒様の素晴らしい作品を目にすることができます。

 


◆株式会社エンマンジ様

~大島洋一会長より、手作りの瓦製「塙保己一座像」が市内の各公共施設や学校にご寄贈されました~

 

■株式会社エンマンジ様より寄贈された『塙保己一座像』

(瓦座像の制作過程の様子)

 一つ一つ手作りの瓦製の塙保己一先生の座像、表情が温和で、塙先生のお人柄が伝わってきました。

 


総検校塙保己一先生啓発動画の紹介

『塙保己一先生啓発動画』

~「世のため 後のためプロジェクト動画」第2弾~

最後に、映画『塙保己一ものがたり(仮)』の統括プロデューサーである江森浩子氏から、「塙保己一先生啓発動画」の紹介がされました。 

 

「塙先生のことを初めて知ったときは、身体中に電流が走るというのはこういうことなのかと感じるくらいの衝撃を受けました。そして、今、その時の気持ちに突き動かされるように今映画製作の準備を進めています。

世界中の人たちにもっと知っていただきたい、世界中の人と塙先生のことを語り合いたいと思うようになりました。

この映画は、みんなで一緒に100年先も200年先も観ていただけるようなそんな映画に作り上げていきたいと思っています。」

 

映画『塙保己一ものがたり(仮)』製作委員会ホームページ 

 

映画の完成がとても楽しみです!!

 


◆「塙保己一先生没後200周年記念事業」の今後の予定

(2021年9月12日現在)

本庄市HP「塙保己一没後200周年記念事業」と、総検校塙保己一先生遺徳顕彰会HP埼玉県HP「塙保己一賞」、総検校塙保己一先生遺徳顕彰会会報誌(第41号)をもとに作成させていただきました。

 


◆塙保己一記念館での記念事業

(2021年9月12日現在)

 

【塙保己一記念館】

午前9時~午後4時30分/休館日:月曜 ※休日の場合はその翌日

住所:埼玉県本庄市児玉町八幡山368番地 アスピアこだま内

 

 

 


◆『塙保己一没後200周年記念切手』

本庄市の偉人、塙保己一先生の没後200周年を記念して作成された『フレーム切手』です。

 

本庄市児玉文化会館(セルディ)・本庄市役所4階 生涯学習課・早稲田の杜ミュージアム塙保己一記念館で販売されています。(1セット600円です。)

 

本庄市児玉文化会館(セルディ)
本庄市児玉文化会館(セルディ)