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2021年10月24日(日) 戸谷八商店にて第5回本庄まちゼミ『老舗15代目が語る中山道本庄宿~渋沢栄一翁と本庄地域の経済人』が行われました。

~大河ドラマ『青天を衝け』と関連付けながら、本庄地域の郷土史と経済人について話させていただきました~

 

 

戸谷八商店にて『第5回本庄まちゼミ』を行わせていただきました。

今回のテーマは「渋沢栄一翁と本庄地域の経済人」です。

ご参加くださいました皆様、本庄ケーブルテレビ様、このたびは誠にありがとうございました。

 


◆「第5回本庄まちゼミ」戸谷八商店の内容

 

■開催日時:

2021年10月24日(日)・11月17日(水) 10時~11時/14時~15時 

■講座名:「老舗15代目が語る中山道本庄宿」

今回のテーマは、渋沢栄一翁と本庄地域の経済人。大河ドラマ『青天を衝け』と関連する郷土史を楽しんでいただけたら幸いです。

※ゼミの後、埼玉県最古企業-戸谷八商店の歴史建物見学もございます。

 

■受講料:無料 

■開催場所:戸谷八商店(本庄市中央1-7-21) 

■新型コロナウイルス感染症への対策を十分に講じた上で実施させていただきます。

 

本庄まちゼミホームページ

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【午前に参加いただいた皆様】

【午後に参加いただいた皆様】


◆2021年10月24日(日) 本庄ケーブルテレビ様放送

~第5回本庄まちゼミ(戸谷八商店)~


◆第5回本庄まちゼミ(第1回)を終えて

 

まちゼミの最初に、幕末以前に活躍した「足尾銅山吹所世話役 豪商6人衆」「花の木18軒」について説明させていただきました。

 《足尾銅山吹所世話役 豪商6人衆》

・戸谷半兵衛(本庄宿)‥関東一の豪商ともいわれた

・森田助左衛門(本庄宿)‥関東一の酒造業・歌人

・森田市郎左衛門(本庄宿)‥大地主

・加部安左衛門(上州大戸村)‥上州一の富豪

・宮下孫兵衛(上州白井村)‥穀物商・蚕種製造・生糸販売

・星野七郎右衛門(上州水沼村)‥子孫が大河『花燃ゆ』主要キャスト

 

彼らは、利根川のネットワークを活用し、幕末以前にすでに貨幣経済の発達した先進地域でもあった上武地域で仲間として活動していました。本庄の郷土史を深く学んでわかったことは、ある時期には仲間のだれかが落ちぶれてたとしても、他のだれかが活躍し、またある時期には、他のだれかが活躍するという形で、ネットワークを作って助け合って活動している実情がわかってきました。

 

大河ドラマやほかの博物館であまり出ていないですが、そこをわかっていただきたいという思いでゼミを行わせていただきました。

 

『青天を衝け』の大河ドラマの中で、かなり時間を使って表現されていたのは、勤王の志士たちの思いや葛藤でした。

幕末には、埼玉県北部だけではなく、日本全国で尊王攘夷論や倒幕運動が盛んでした。名だたる勤王の志士たちはみな何らかの剣術を修めていました。

栄一翁も幕末には攘夷志士として活動しており、NHK大河ドラマ『青天を衝け』の中でも、栄一や喜作、尾高長七郎らが尾高塾で惇忠から剣術を学んでいるシーンが何度も描かれています。

さらに、『青天を衝け 紀行(第5回)』では、尾高家や渋沢家に剣術の指導をしていた神道無念流の剣術家である大川平兵衛(おおかわ へいべえ)の道場についても紹介されていました。

ゼミの中では、神道無念流の大川平兵衛の弟子であった栄一翁たちが剣術家から経済人へと変化していった様子をたどらせていただきました。

 

また一方で、大河ドラマではふれられていませんでしたが、幕末の志士たちが剣術の修行に励む一方で、上武(群馬県や埼玉県)の商人たちの中には、横浜開港前後に横浜に進出し、横浜を代表する経済人として活躍している人たちも多くいました。

栄一翁も頻繁に横浜を訪れ、横浜の商人たちと議論をし日本経済システムを改革していきました。

 

続々と横浜へ進出する商人たち(著名な横浜貿易商の半数近くが上武の出身者)

中居重兵衛(嬬恋村)・加部安左衛門(東吾妻町)・野沢正三郎(本庄市)・

茂木惣兵衛(高崎市)・原善三郎(神川町)・吉田幸兵衛(大間々町)

 

吉田幸兵衛は後に、栄一翁のいとこである渋沢喜作に横浜での営業権を譲渡しました。

原善三郎の養子となった原三渓(原富太郎)は渋沢栄一翁と、経済面・文化面(茶、三渓園、岡倉天心、タゴール)両方を通じて交流を深めています。

 

今回のまちゼミでは、上武地域の経済人に特に焦点をあてながら、幕末から明治にかけての激動の時代に、上武地域がなぜ優れた人材を輩出できたのかについても紹介させていただきました。

 

 

(横浜の三渓園に滞在するタゴールを訪ねる渋沢栄一翁)

大正5年(1916年)横浜の原富太郎の「三渓園」に滞在するタゴールを渋沢栄一翁が訪ねた時の集合写真
大正5年(1916年)横浜の原富太郎の「三渓園」に滞在するタゴールを渋沢栄一翁が訪ねた時の集合写真

※ぷらっと小太郎の旅より

大正5年、栄一翁は、横浜の原三渓(原富太郎)の「三渓園(さんけいえん)」に滞在するタゴールを訪ね、食事を共にし、「帰一協会」の幹事として世界平和や宗教の問題について談話を交えたようです。

 

参照)

「心の交流 タゴールと邦彦」(星原大輔)PDF:719KB

WEB版「有隣」平成12年11月10日第396号

 

 

大河ドラマの放送によって、参加くださった皆様は、その時代に対して強い思い入れを抱いてゼミに臨んでくださいました。そのおかげで、熱心に聞いていただいただけではなく、有益なご意見をお聞きすることができ私としても大変勉強になりました。このたびは、戸谷八商店の本庄まちゼミにご参加いただいた皆様、本庄ケーブルテレビ様、本当にありがとうございました。

 

 


◆第5回本庄まちゼミ(2021/10/15~11/30)のパンフレット