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関東大震災発生後、「民」の立場から「大震災善後会」を発足させた渋沢栄一翁。同じく「民」の立場から「横浜市復興会」と「横浜貿易復興会」の会長を務めた原三渓。両者は共に、私財を提供し、義援金集めに奔走して最前線にて被災者支援を行いました。

~本庄すまいる日和2021「本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁」では、上武商人の公益の精神をつぐものとして、上記のようなお話をさせていただきました。~ 

 

『渋沢栄一と関東大震災~復興へのまなざし~』(渋沢栄一記念財団付属渋沢史料館、2010年)
『渋沢栄一と関東大震災~復興へのまなざし~』(渋沢栄一記念財団付属渋沢史料館、2010年)

 

1923年(大正12)9月1日に発生した大地震は、関東一帯に甚大な被害をもたらしました。

 

神奈川県西部を震源とするマグニチュード7.9。続いて東京湾北部ではマグニチュード7.2の余震が、さらに5分後、山梨県東部ではマグニチュード7.3の余震が立て続けに起こりました。

火災による死傷者が非常に多く、死者全体で10万人以上、東京市で6万8000人以上、横浜市でも2万3000人以上が亡くなるという、大きな被害が出ました。

 

関東大震災の動画(東京)

関東大震災の動画(横浜)

(※NHKアーカイブスより)

 

 

【関東大震災時、渋沢翁は関東で、原三渓氏は横浜で、二人は先頭に立って、被災者支援に尽力し続けた。】

 

渋沢栄一翁は、その時83歳、すでに一線を退いていましたが、「わたしのような老人は、こういう時にいささかなりと働いてこそ、生きている申し訳がたつようなものだ」と述べて、関東大震災発生後、「民」の立場から「大震災善後会」を発足させ義援金を募りました。また、海外にも呼びかけ、大企業関係者、経済界、商工会議所、教会関係の重要人物に電報を打ち、アメリカからは13万ドルを越える義捐金が大震災善後会に入りました。

さらに、人脈を生かして臨時の病院や炊き出し、避難所などの対策に取り組み、社会の復興に尽力しました。

 

原三渓氏もまた、関東大震災後には、「横浜には生存の恩がある。その恩に報いるのは、今しかない。」と述べて、「横浜市復興会」、「横浜貿易復興会」の会長を務め、自ら先頭に立って、私財を投じ復興に尽くしました。

1000人を超える家屋を失った人々には「三渓園」を開放しました。原三渓の妻:屋寿(やす:原善三郎の孫娘)は、米の買い出しを指示し、避難民に炊き出しを提供し続けました。

原三渓は、横浜の市民に対して、「横浜は今、一枚の白紙になりました。白紙になった以上、自由に絵は描けるのです。新しい文化を取り入れて、最新の絵を描けばいいのです。」と述べて市民を励ましました。1年後、横浜は見事に蘇りました。市の人口も銀行預金も、震災前より増加しました。

 

【参照】

・公益社団法人渋沢記念財団HP

・国際留学生協会

 

渋沢栄一翁
渋沢栄一翁
原三渓(原富太郎)氏 ※神川町出身の「原善三郎氏」の孫娘(やす)と入籍し、原家の後継者となり事業を発展させた。
原三渓(原富太郎)氏 ※神川町出身の「原善三郎氏」の孫娘(やす)と入籍し、原家の後継者となり事業を発展させた。

大正5年(1916年)横浜の原富太郎の「三渓園」に滞在するタゴールを渋沢栄一翁が訪ねた時の集合写真

※ぷらっと小太郎の旅より

大正5年、栄一翁は、横浜の原三渓(原富太郎)の「三渓園(さんけいえん)」に滞在するタゴールを訪ね、食事を共にし、「帰一協会」の幹事として世界平和や宗教の問題について談話を交えました。

 

「本庄すまいる日和2021」で配布した資料
「本庄すまいる日和2021」で配布した資料

 

2021年12月15日(日) 戸谷八商店にて『本庄すまいる日和2021』(第2回目)を行わせていただきました。

テーマは、『本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁』です。

 

※12月5日(日)の戸谷八商店『本庄すまいる日和2021』の様子につきましては、こちらをご覧ください。

 

お寒い中、戸谷八商店に足をお運びいただきありがとうございました。

 


◆戸谷八商店での「本庄すまいる日和2021」

【開催日】:

2021年12月5日(日)・2021年12月15日(水) 

①11:00~12:00/②14:00~15:00

※12月5日(日)は12:30~13:30の部も追加させていただきました。

 

【場所】:

戸谷八商店(埼玉県本庄市中央1-7-21)

 

【テーマ】:

『本庄歴史探訪 老舗15代目が語る本庄宿と埼玉の偉人・渋沢栄一翁』

 

【各回定員】:4名

 

【受付時間】:

13:00~17:00(水曜・日曜・祝日をのぞく)

TEL:090-3107-8770 

 

※新型コロナ感染対策を十分に施して開催させていただきました。

 

※詳細は、こちら(本庄市HP・本庄すまいる日和2021)をご覧ください。

 


◆【午前11時~】の部にご参加いただいた方々

◆【午後2時~の部】にご参加いただいた方々


 

皆さん、大河ドラマ『青天を衝け』を見ていたので、とても盛り上がり楽しかったです。

 

日本最初の銀行である「第一国立銀行」を創設した渋沢栄一翁。

横浜で「第二国立銀行」を設立した児玉郡神川町出身の原善三郎翁。

 

また、江戸から明治にかけて経済活動が盛んだったこの地域に見られる「公益の精神」の歴史についても紹介させていただきました。

 

戸谷八商店での『本庄すまいる日和2021』にご参加くださいまして、ありがとうございました!!

 

ご参加いただいた方に「本庄すまいる日和2021」のしおりをプレゼントさせていただきました。

 


◆『本庄すまいる日和2021』パンフレット

◆本庄すまいる日和2021パンフレット1(PDF3.6MB)

◆本庄すまいる日和2021パンフレット2(PDF4.0MB)

 

 

【開催期間】

2021年10月10日(日曜日)~2021年12月25日(土曜日)

 

【本庄すまいる日和・プログラム一覧】

本庄市HPの『本庄すまいる日和 プログラム一覧』をご覧ください。