2022年4月7日㈭ 釜江常好先生の『触覚本 マンガ塙保己一』120冊が、本庄ライオンズクラブの木村幸良会長によって、塙保己一学園へ贈呈され、その様子が埼玉新聞(4月12日朝刊)に掲載されました。

~視覚障害者の方々へ釜江先生がご尽力して作成された触覚本が届くことになってとてもありがたいです。本庄ライオンズクラブ様、本当にありがとうございました。~

 

『保己一の生涯学んで 触覚本120冊を寄贈 本庄ライオンズクラブ(LC)』(2022年4月12日埼玉新聞に掲載の記事)
『保己一の生涯学んで 触覚本120冊を寄贈 本庄ライオンズクラブ(LC)』(2022年4月12日埼玉新聞に掲載の記事)

 

2022年4月7日(木) 本庄ライオンズクラブ様は、釜江常好先生がご尽力して開発された『触覚本 マンガ塙保己一』120冊を、川越市の「塙保己一学園(埼玉県立盲学校)」様へ寄贈してくださいました。

 

本庄ライオンズクラブ様は、1971年創立のクラブで、献血活動や、青少年活動への支援、視覚障害者に対する奉仕活動など、地域に根差しながらさまざまな分野で持続的に奉仕活動を行っておられる団体です。

※本庄ライオンズクラブ様 ホームページ 

 

触覚本を受け取られた塙保己一学園の寺田智礼校長は、「生徒には、保己一のように努力して社会に貢献できる力を蓄えて学校を卒業してほしい。本を教育活動に生かしたい」と話され、本庄ライオンズクラブ様に感謝状を贈られたとのことです。

※埼玉県立特別支援学校塙保己一学園様 ホームページ

 

釜江常好先生は、「皆さんのお気持ちが、特別支援学校の生徒さんに伝わるよう願っています」と、とても喜ばれていらっしゃいました。このたびは、本庄ライオンズクラブ会長の木村幸良様、本庄ライオンズクラブ会員の皆様、塙保己一学園様、飯塚県議様に心より御礼申し上げます。

 


◆『触覚本 マンガ塙保己一』

『触覚本 マンガ塙保己一』(原作:花井泰子 マンガ:しいやみつのり 触覚本:釜江常好 朗読:秋友範子)
『触覚本 マンガ塙保己一』(原作:花井泰子 マンガ:しいやみつのり 触覚本:釜江常好 朗読:秋友範子)

『触覚本 マンガ 塙保己一』は、塙保己一先生の偉業を視覚障害者の方たちにも伝えたいと強く思われ、釜江先生が開発された本です。触覚本は、登場人物の声や状況説明を「点字」で説明した部分と、「絵(写真)や図を立体化(凹凸化)させた部分」で構成されています。視覚障害のある方が「触って読める」ように作られています。

 

さらに、“タッチパネル付き”のパソコンの上に「触覚本」を重ねて、絵や文章に触れれば、その部分を音声が説明してくれるという体験ができて、視覚障害の有無を問わず楽しめるように作られています。

※詳細は、こちらもご覧ください。

 


◆釜江 常好(かまえ つねよし)先生について

『視覚障害者支援を続ける宇宙物理学者 釜江常好(かまえ つねよし)さん』(2021年12月12日読売新聞に掲載の記事)
『視覚障害者支援を続ける宇宙物理学者 釜江常好(かまえ つねよし)さん』(2021年12月12日読売新聞に掲載の記事)

 

釜江常好先生(東京大学・スタンフォード大学名誉教授)は、宇宙の起源などを探る高エネルギー加速器研究機構の発足や、日本のインターネット草創期において目覚ましい貢献をされた宇宙物理学者です。

 

釜江先生は東京大学で視覚障害者の教え子の方と出会ってからの約40年間、視覚障害者支援の活動を続けてこられました。

釜江先生の一番弟子である、東京大学の副学長の相原 博昭氏は、平成12年(2000年)、釜江先生の東京大学・理学系研究科の定年退官時に、「暇を見つけては、視覚障害者の計算機利用を助けるプログラムを開発されている。驚異的な知的体力である」と述べられています。(下記ご参照)

 

東京大学をご退官し、スタンフォード大学で教鞭をとっていらっしゃった時には、日本の全盲の学生をキャンパス内のご自宅に招いて、一年間支援をなさっていたとのことです。現在も、早稲田大学理工学部4年生の全盲の学生の勉強の支援をされる準備をなさっておられるとのことです。

平成12年(2000年)、釜江先生の東京大学・理学系研究科の定年退官時に、相原 博昭氏(東京大学現副学長)が釜江先生に贈られた言葉。
平成12年(2000年)、釜江先生の東京大学・理学系研究科の定年退官時に、相原 博昭氏(東京大学現副学長)が釜江先生に贈られた言葉。

◆視覚障害者のための「STEM教育」(触覚 STEM教材)

Science(科学), Technology(技術), Engineering(工学), Mathematics(数学) の横断教育

 

現在、釜江先生は、以前から「STEM教育」と呼ばれる情報理工系を融合する教育が、日本では大変遅れていることを危惧され、触覚本『マンガ塙保己一』と同じ手法で、視覚障害者のためのSTEM教材の開発を続けていらっしゃるとのことです。

科学・工学・技術・数学の分野を、学問の境界を越えて横断的に学べる教材です。

※詳細はこちらをご覧ください。

 

障害の有無を問わず、多くの学生が一緒に読んで、見て、聞いて、触って学んでほしいという思いから、「STEM教育」の教材開発にご尽力されています。

 

■STEM教育

「STEM教育」とは、科学(Science)・技術(Technology)・工学(Engineering)・数学(Mathematics)のそれぞれの頭文字を取って付けられた造語です。4分野を横断しながら学ぶ「21世紀型の新しい教育」のことです。

「STEM教育」は2000年代にアメリカで始まった教育モデルであり、日本をはじめとした世界中で取り入れられ始めています。

背景となったのは急激に進む社会の変化です。AIの誕生や情報処理技術の進歩など、技術革新のスピードが速く、予測不可能性の高まった現代において、今までの「先生が教え、生徒は覚える」教育だけでは、次世代に対応できない状況が生じています。

そこで、次世代に適応できる能力を持った人材を育成するために、あらゆる課題に対して、「自由」かつ「創造的」に「解決」したり、「社会全体を再構築」する方法を生み出すための思考力や判断力、分析力を身に付けさせることを重視した「STEM教育」が掲げられるようになりました。

 

※STEM教育についてはこちらもご覧ください。

「21世紀の教育・学習」(中島さち子著)pdf3.9MB

 


 

塙保己一翁は、三味線も按摩も金融業務も得意ではなく、深く人生に悩んでいたなか、学問が生きる希望になりました。

釜江先生もおっしゃっていましたが、塙保己一翁みたいなタイプの生徒さんにもこの本が届き、「物語」や「学問」のことを好きになって頂ければ本当にうれしいことです。

塙保己一翁も仲間とともに、大偉業を達成されました。この本にはそういったきっかけを作るパワーがあると思います。

 

このたびは、木村会長、本庄ライオンズクラブ会員の皆様、塙保己一学園様、飯塚県議、本当にありがとうございました。