『厚生労働』(6月号)に、IPSG代表の稲葉繫先生と飯塚能成先生(本庄市児玉郡歯科医師会会長)が、長年研究を進めてこられた誤嚥防止器具『エントレ』を用いた口腔トレーニングが、訪問医療マッサージ事業者「KEiROW」(全国で約340店舗)さんと連携することによって、全国的な広がりを見せていることが紹介されました。

~IPSG包括歯科医療研究会代表の稲葉繁先生は「エントレ」開発者で、咬合を軸にした”包括歯科医療” の第一人者です~

 

 

厚生労働省の広報誌『厚生労働』(6月号)の表紙
厚生労働省の広報誌『厚生労働』(6月号)の表紙

(大まかなポイント)

『自治体・歯科医師会・民間が連携し地域住民の誤嚥防止に取り組む』

 

◆2017年1月から、全国で約340店舗展開している訪問医療マッサージ事業者「KEiROW」(ケイロウ)によって、摂食・嚥下機能訓練器具「エントレ」を使った誤嚥防止の取り組みが始められました

※「KEiROW」は、HITOWAグループの一員として、”おそうじ本舗” や、”靴専科” など、さまざまな生活支援サービスのフランチャイズ事業を展開している「HITOWAライフパートナー株式会社」が手掛けているフランチャイズチェーンです。

 

 

稲葉 繁(いなば しげる)先生は、歯科医師によるスタディグループ「一般社団法人 IPSG包括歯科医療研究会」の代表です。40年にわたり、舌や口のまわりの筋肉の機能訓練に注目し研究してきた、摂食・嚥下トレーニングの第一人者です。舌と口腔周囲筋を鍛えて機能を維持・改善する器具「エントレ」を開発されました。

※IPSGとは「Interdisciplinary Practical Study Group」(包括歯科医療を学ぶスタディーグループ)の略です。

 

稲葉 繫(いなば しげる)先生
稲葉 繫(いなば しげる)先生

 

「エントレ」の開発者である稲葉 繁先生は、「医療には最善の方法が実行されるべきである」という信念のもと、海外で直接、著名な先生から指導を受けた確かな技術を日本の歯科医師に正しく広めるためにご尽力されています。

 

一般社団法人 IPSG包括歯科医療研究会

 

誤嚥防止器具「エントレ」は、口にくわえ、鼻呼吸をしながら器具を吸います。これを繰り返すことで舌と唇・口腔周囲筋が鍛えられ、誤嚥を防止しやすくなり、鼻呼吸のトレーニングにもなります。

(鼻呼吸は、空気中の異物の除去や、加湿・加温効果によりのどや肺の保護ができるほか、歯周病の予防にもなります。)

 

 

◆IPSG包括歯科医療研究会の会長である飯塚 能成(いいづか よしなり)先生は、「エントレ」の効果について次のように述べられています。 

「要介護4で胃ろうの50代の患者さんに使ってみたところ、寝たきりから自立歩行ができるようになり、普通食も食べられるようになるまで改善しました。これを機に、自治体や歯科医師会と一緒に高齢者を対象にした研究事業で効果を確かめたり、現在も埼玉県歯科医師会の依頼で特別養護老人ホームでエントレの効果について研究を行ったりしています」

 

 

飯塚 能成(いいづか よしなり)先生
飯塚 能成(いいづか よしなり)先生

 

飯塚能成先生が会長を務める「本庄市児玉郡歯科医師会」は、全国に先駆けて2008年から、埼玉県本庄市や自治会、介護施設、病院、民間組織などと協力して、誤嚥防止器具を用いた口腔トレーニングの研究や普及啓発活動に取り組み続けておられます。

飯塚歯科医院

Facebook(飯塚歯科医院)

 

 

<IPSG会は、嚥下訓練トレーナーの認定資格制度を創設>

◆2021年10月、「一般社団法人日本嚥下機能訓練協会」を設立。「エントレ」を使った嚥下トレーニングのマニュアルとカリキュラムを開発するとともに、嚥下訓練トレーナーの認定資格制度」を創設することによって、指導者を養成。

※「一般社団法人日本嚥下機能訓練協会」の代表には、 IPSG会長で、本庄市児玉郡歯科医師会会長、飯塚歯科医院(埼玉県本庄市) 院長の飯塚能成先生が就任。 

 

◆【嚥下訓練トレーナーの認定資格】は、次の3段階に分かれています。

『エントレ体操サポーター』(エントレを使った体操を教える)

『嚥下訓練士』(医療職が対象の嚥下訓練を指導する)

③ 『嚥下指導員』(セミナーや勉強会を開催できる)

※これまで3回研修会を開催し、約50名が資格を取得しています。

 

◆口腔機能が身体に及ぼす影響は計りしれないものがあります。今後、「エントレ」を用いた誤嚥防止サービスが、自治体と歯科医師会、民間が連携することによって、全国各地でますます広がりをみせてくれそうです。

 

→厚生労働省の広報誌『厚生労働』(6月号)の購入についてはこちらをご覧ください。

 


◆「エントレ」を使った口腔トレーニング


埼玉県議会定例会においても、”口腔トレーニングの重要性”について議題として取り上げられています。

 

■平成30年6月定例会(齊藤邦明議員)

「口腔トレーニングの推進について」

 

■令和2年6月定例会(齊藤邦明議員)

「器具を使った口腔トレーニングの推進について」

 

■令和4年2月定例会(飯塚俊彦議員)

「人生100年時代に必要な『オーラルフレイル』の予防・改善について」

 


◆日本人の死因6位にランクの『誤嚥性肺炎』

主な死因の構成割合(令和3年)
主な死因の構成割合(令和3年)

 「誤嚥性肺炎」は、日本人の死因の第6位にランクインしています。

70歳以上の肺炎患者の約70%が、誤嚥性肺炎になっているとのことです。

 

誤嚥性肺炎は、食道から胃へ向かうはずの食べ物や唾液などが気道内に入ってしまうことで、引き起こされる肺炎です。

「嚥下機能」と大きくかかわっていることから、誰にでも「発症のリスクがある病気」と言えます。

 

誤嚥性肺炎を予防するには、口腔機能の向上に効果のある「口腔トレーニング」が重要になってきます。 

 

「エントレ」を用いた口腔トレーニングは、誤嚥性肺炎や感染症の予防だけでなく、全身機能を向上させる効果があります。食事を楽しむことにもつながり、脳へのよい刺激にもなります。

 


◆HITOWAグループ

~「生活総合支援サービス」を提供し、ライフステージを生涯通して支えるビジネスを展開~

「HITOWAグループ」
「HITOWAグループ」

◆HITOWAホールディングス株式会社

https://www.hitowa.com/

国内最多1400超の店舗数を持つハウスクリーニングチェーン「おそうじ本舗」、有料老人ホーム「イリーゼ」、保育園「太陽の子」等を運営するグループ各社の経営を管理する持株会社。

2016年設立。(代表取締役社長 日髙 博美氏)

※グループの創業は1997年(長谷川トラストグループ 代表 長谷川 芳博氏

 

◆HITOWAライフパートナー株式会社

https://www.hitowa.com/life-partner/

HITOWAグループの一員として、おそうじ本舗や、KEiROW、靴専科、楽ラクーン等、生活総合支援サービスのフランチャイズチェーンを全国に展開する。

 

◆「KEiROW」(ケイロウ)

https://www.keirow.com/

HITOWAライフパートナー株式会社が全国で約340店舗展開する訪問医療マッサージのフランチャイズチェーン。

4つのケイロウ:「敬老」「軽労」「軽LOW」「軽朗」を理念に訪問医療マッサージサービスを提供。

2017年から摂食・嚥下機能訓練器具「エントレ」を使った誤嚥防止サービスも開始。高齢者の口腔・全身機能の改善に取り組み、現在は自治体との連携も加速させている。

 

「生活総合支援サービス」分野でのHITOWAのビジネス展開
「生活総合支援サービス」分野でのHITOWAのビジネス展開

(「エントレ」を用いた口腔トレーニングや普及活動の様子)


◆『医道の日本』に掲載された飯塚先生の論文

『医道の日本』(2018年4月号)
『医道の日本』(2018年4月号)
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『医道の日本』(2018年4月号)に掲載された飯塚能成先生の論文
「嚥下トレーニング器具を用いた高齢者の口腔機能の改善と全身機能への影響」.pdf
PDFファイル 4.5 MB

飯塚先生は、本庄市児玉郡歯科医師会会長としてお務めになる傍ら、「太平洋美術会」の会員として数々の絵画作品を残しておられます。

飯塚 能成先生作品『愛宕山』(2016年)
飯塚 能成先生作品『愛宕山』(2016年)
飯塚 能成先生作品『春』(2022年)
飯塚 能成先生作品『春』(2022年)

飯塚先生には、ご近所ということもあり、父親も母親も私自身も、昔からお世話になっております。 

顔の骨格のせいもあるみたいですが、私は二十歳ぐらいから、顎関節症や無呼吸症候群になりがちなところがありました。

そのことを、4年前に飯塚先生に相談したところ、口腔機能向上トレーニング器具である「エントレ」をすすめられました。 ドキドキしながら試してみましたが、「エントレ」を利用してからは、顎関節症は治り、また、無呼吸症候群もかなり改善されて、鼻呼吸で睡眠をとることができるようになってきました。「エントレ」の効用の凄さにびっくりして、以後、愛用者になっています。

 

その後、「エントレ」のすばらしさは、地元である本庄市で徐々に広まり、本庄ケーブルテレビで、「エントレ体操」が繰り返し放送されるまでになりました。※「はにぽんお口の健康体操」

(母は、この放送をみながら、嚥下トレーニングを行っています。)

 

これまでの研究実績に基づいて、飯塚先生は、高齢者の健康寿命を長くする上でエントレが非常に効果があり、このエントレが普及すれば、多くの高齢者のQOL(生活の質)が大幅に上がるという信念を強く持っていらっしゃいました。

 

全国に先駆けて2008年から、飯塚先生は、本庄市児玉郡歯科医師会の会長として、埼玉県本庄市や町内会、介護施設、病院、民間組織などと協力して、誤嚥防止器具(ラビリン・エントレ)を用いた口腔トレーニングの研究や普及啓発活動に継続して取り組み、高齢者の方々から非常に感謝されていました。

 

このような地道な取り組みが今回、「嚥下訓練トレーナーの認定資格制度の創設」や「訪問医療マッサージに嚥下トレーニングを加える」という工夫のおかげもあって、厚生労働省の雑誌に取り上げられたこと、本当にうれしいです。本庄市に限らず、この口腔機能向上トレーニングの仕組みがこれから全国に広まっていけば、すばらしいことだと心から思います。