2022年9月21日(水) 彩の国さいたま芸術劇場にて再演された「彩の国シェイクスピア・シリーズ・第35弾」の『ヘンリー八世』を観に行ってきました。

 

~2年半前、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けて、中断された『ヘンリー八世』が、彩の国さいたま芸術劇場で再演。

彩の国さいたま芸術劇場の初代館長は、本庄にゆかりのある諸井誠(もろい まこと)氏です。~

 

 

2020年2月、「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の第35弾として上演された『ヘンリー八世』は、新型コロナウィルス感染症の感染拡大のため、埼玉公演の終盤とツアー公演が中止となりました。

2年半後の2022年9月、吉田鋼太郎さんや阿部寛さんを始めとしたキャスト・スタッフが再び集結し、『ヘンリー八世』が「彩の国さいたま芸術劇場」の大ホールにて再演されました。

 

『ヘンリー八世』は、2016年10月に吉田鋼太郎さんが、「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の芸術監督を蜷川幸雄さんから受け継いで、3本目の作品です。吉田鋼太郎さんが演出を手掛け、阿部寛さんが主演、金子大地さんが舞台初出演をされました。(※2022年9月16日の初日公演の様子はこちらへ)

 

吉田鋼太郎さん、阿部寛さんの重厚な演技と圧倒的な迫力に魅了されました。

 


 

《あらすじ》

舞台は16世紀の英国王宮。ヘンリー八世(阿部 寛)の寵愛を受け、出世のために策略をめぐらす高慢な枢機卿ウルジー(吉田鋼太郎)は王侯貴族たちの非難の的になっている。ある晩、ウルジーが催す晩餐会で王は王妃キャサリン(宮本裕子)に仕える女官アン・ブリン(山谷花純)に心を奪われる。王は王妃との結婚を無効にしようと離婚裁判を起こすが、宗教や複雑な国際問題が絡み、歴史的な問題へと展開していく——

 



◆『ヘンリー八世』のパンフレット


◆『ヘンリー八世』の日程

 

<埼玉公演>

期間:2022年9月16日(金)~9月25日(日)

会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団

制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ

企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会

作:W. シェイクスピア

 

演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)

出演:阿部 寛、吉田鋼太郎、金子大地、宮本裕子、山谷花純、谷田 歩、河内大和ほか

演奏:サミエル

お問い合わせ:彩の国さいたま芸術劇場 0570-064-939(休館日を除く10:00-19:00)

 

https://www.saf.or.jp

 

~埼玉公演後のスケジュール~

 

<愛知公演>

期間:2022年9月30日(金)~10月2日(日)

会場:刈谷市総合文化センター 大ホール

主催:メ~テレ、メ~テレ事業

共催:刈谷市・刈谷市教育委員会・刈谷市総合文化センター(KCSN共同事業体)

お問い合わせ:メ~テレ事業 052-331-9966(祝日を除く月-金10:00~18:00) 

 

<大阪公演>

期間:2022年10月6日(木)~10月9日(日)

会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

主催:梅田芸術劇場

お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:00~18:00) 

 

<北九州公演>

期間:2022年10月14日(金)~10月16日(日)

会場:北九州芸術劇場 大ホール

主催:RKB毎日放送/インプレサリオ

提携:北九州芸術劇場

お問い合わせ:インプレサリオ info@impresario-ent.co.jp(092-985-8955) 

 

<宮城公演>

期間:2022年10月22日(土)~10月24日(月)

会場:名取市文化会館

主催:仙台放送

お問い合わせ:仙台放送 022-268-2174 (平日11:00~16:00)

 


◆2022年12月~『ジョン王』が上演

~シリーズ第35弾の『ヘンリー八世』の中断に続き、新型コロナウィルスの影響により中止となっていた「彩の国シェイクスピア・シリーズ」第36弾の『ジョン王』が上演決定~

【東京】2022/12/26~2023/1/22・【愛知】2023/1/26~1/29・【大阪】2023/2/3~2/12・【埼玉会館】2023/2/17~2/24

 

 

「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の完結目前の第36弾として 2020年6月に上演を予定していた『ジョン王』も、新型コロナウイルス感染症の影響により、中止となってしまいました。

2021年5月に上演されたシリーズ第37弾の『終わりよければすべてよし』でいったんのシリーズ完結を迎えました。

『ジョン王』を上演しないことにはシリーズは終われないという、彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督の吉田鋼太郎さんの強い想いから、改めて 『ジョン王』が2022年12月~2023年2月の上演が決定されました。

 

主演の”私生児 フィリップ・ザ・バスタード”役には、現在、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で主演の北条義時役を演じられている小栗 旬さん

「ジョン王」役には、同じく『鎌倉殿の13人』で和田義盛役を熱演されている横田栄司さん

 

演出も兼ねる吉田鋼太郎さんは、ジョン王と敵対する「フランス王」役で出演されます。

魅力的なキャストで話題となっています。

 

※(2022年10月25日追記)

「ジョン王」役の横田栄司さんは体調不良のため降板することが発表されました。

【東京公演】では吉原光夫さんが、【埼玉・愛知・大阪公演】は、吉田鋼太郎さんが「ジョン王」の代役を務められるとのことです。また吉田鋼太郎さんは、【東京公演】に「フランス王」役で出演しますが、埼玉・愛知・大阪公演では「ジョン王」の代役を務めるため、俳優の櫻井章喜さんが「フランス王」役として出演されるとのことです。

 

NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条義時役を演じる小栗旬さん(左)と、和田義盛役を演じる横田栄司さん(右)
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条義時役を演じる小栗旬さん(左)と、和田義盛役を演じる横田栄司さん(右)

©https://natalie.mu/owarai/gallery/news/466208/1764300


 《『ジョン王』あらすじ》

イングランド王ジョン(横田栄司)の下へ、先王リチャード1世の私生児だと名乗る口の達者な男が現れる。ジョンの母エリナー皇太后はその私生児・フィリップ・ザ・バスタード(小栗 旬)を親族と認め従えることを決める。

そこへフランス王フィリップ2世(吉田鋼太郎)からの使者がやってくる。ジョンは、正当な王位継承者である幼きアーサーに代わってイングランド王となっていたが、「王位をアーサーに譲り、領地を引き渡すよう」に要求しにきたのだ。それを拒んだジョン王は、私生児を従えてフランスと戦うために挙兵する。

まんまと王族の仲間入りをした私生児は、権力者たちの愚かなふるまいを鼻で笑いながらも、戦争へと巻き込まれていく。

アーサーの存在が疎ましいジョン王は、腹心の臣下であるヒューバートに、恐ろしく非情な命を下す。この決断が、ジョン王と私生児の運命を大きく狂わせるのだった。

権力者の思惑に振り回され、世界は混迷を極めていく——

 


 <東京公演>

期間:2022年12月26日(月)~2023年1月22日(日)

会場: Bunkamura シアターコクーン(渋谷)

主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団、ホリプロ

お問合せ:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949(平日11:00〜18:00 土日祝休)

https://horipro-stage.jp/stage/kingjohn2022/

 

<愛知公演>

期間:2023年1月26日(木)~1月29日(日)

会場:御園座

主催:御園座/中日新聞社

お問合せ:御園座 052-222-8222(平日10:00-18:00)

https://www.misonoza.co.jp

 

<大阪公演>

期間:2023年2月3日(金)~2月12日(日)

会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

主催:梅田芸術劇場

お問い合わせ:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:00~18:00)

https://www.umegei.com/

 

<埼玉公演>

期間:2023年2月17日(金)〜2月24日(金)

会場:埼玉会館 大ホール

(※彩の国さいたま芸術劇場は大規模改修工事のため)

主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団

制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/ホリプロ

企画:彩の国さいたま芸術劇場シェイクスピア企画委員会

 

作:W. シェイクスピア

演出:吉田鋼太郎(彩の国シェイクスピア・シリーズ芸術監督)

出演:小栗 旬、吉田鋼太郎、横田栄司ほか

 

お問い合わせ:SAFチケットセンター 0570-064-939

(休館日を除く10:00〜19:00 ※10/7より月曜・休館日を除く10:00~17:00)

https://www.saf.or.jp/saitama/stages/detail/95354/

 

 


◆彩の国さいたま芸術劇場

~4つの個性的なホールと稽古場などの施設が集まる劇場~

「ロトンダ」(イタリア語で円形広場)
「ロトンダ」(イタリア語で円形広場)

 

円形広場の3方向に大ホール、小ホール、音楽ホールの3つのホールへの入り口があります。 

 

「ガレリア」(ガラス屋根の通路)
「ガレリア」(ガラス屋根の通路)

稽古場とホールをつなぐ劇場のメインストリート。

光がふりそそぐ通路の両壁には、舞台写真が展示されています。

 

「彩の国さいたま芸術劇場イラストマップ」
「彩の国さいたま芸術劇場イラストマップ」

●開館:1994年10月5日

●設計:香山壽夫建築研究所

●村野藤吾賞(1996年)、建築業協会賞(1995年)、日本建築学会賞(1996年)受賞

 


※彩の国さいたま芸術劇場の大規模改修工事に伴う休館について

~令和4年(2022年)10月3日から令和6年(2024年)2月29日まで休館~

※彩の国さいたま芸術劇場HPより

 

「彩の国さいたま芸術劇場」は、1994年10月に開館してから26年以上が経過しました。

老朽化した施設・設備を改修し、より安全で快適にするため、2022年10月3日から大規模改修工事に入りました。

それにより 、「令和4年(2022年)10月3日から令和6年(2024年)2月29日まで」全施設が休館となります。

※休館中、事務所は埼玉会館に移転されるとのことです。(※詳細はこちらへ)

 


◆埼玉会館

2つの歴史~渋沢栄一翁が開館設立に尽力した『御成婚記念埼玉會館』(旧館・1926年竣工)と、前川國男氏設計による『埼玉会館』(新館・1966年建替)~

●昭和41年(1966年)建て替え

●近代建築の巨匠 ル・コルビジェに学んだ前川國男が設計

●前川國男氏の言葉:「私達はこの埼玉会館で、敷地に不相応に大きい要求をうまく満たすと同時に、浦和の街に市民にとって「なつかしい」ひとつのオアシスにも似た「ランデブー」を創り出したいと苦慮しました。」

●DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築216選、優良ホール100選に選出

 

●色彩感のある煉瓦を敷き詰めた「エスプラナード」(開かれた中庭)をめぐらせています。

●建物の外壁には、前川建築の特徴である「打ち込みタイル工法」により黄褐色のタイルで覆われています。

●自然の焼きムラがあるタイルと打ち放しコンクリートとが絶妙な対比をなしています。

●外灯の種類も様々で夜に照明が入ると、また違った佇まいを見せてくれます。

 

(参考)『埼玉会館パンフレット』(PDF:1.4MB)

 

「埼玉会館 大ホール」
「埼玉会館 大ホール」

●木でできた「大ホール」は壁と天井が連続して作られていて、間接照明もすばらしく、音質の良さには定評があります。

 

「埼玉会館たてものイラストMAP」
「埼玉会館たてものイラストMAP」
「埼玉会館 レトロの美」の記事(毎日新聞 日曜くらぶ2021年4月4日掲載)
「埼玉会館 レトロの美」の記事(毎日新聞 日曜くらぶ2021年4月4日掲載)

※埼玉会館にて撮影


◆「御成婚記念埼玉會館」

~渋沢栄一翁による寄付によって創設。日本の公共ホールの先駆けとなる~

『御成婚記念 埼玉會館』
『御成婚記念 埼玉會館』

※埼玉会館内にて撮影

渋沢栄一翁揮毫による「旧埼玉会館銘板」(※埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵)
渋沢栄一翁揮毫による「旧埼玉会館銘板」(※埼玉県立歴史と民俗の博物館所蔵)

※埼玉会館内にて撮影

『渋沢栄一像』(倉田白羊 作)
『渋沢栄一像』(倉田白羊 作)
『旧埼玉会館の図』(関 謙悟 作)
『旧埼玉会館の図』(関 謙悟 作)

※埼玉会館内にて撮影

●大正15年(1926年)に「御成婚記念埼玉會館」として創設。

摂政裕仁親王(昭和天皇)の御成婚を記念して建設。

●大正12年(1923年)に計画されるも、年に関東大震災が起こり、建設は延期となる。

しかし翌年、渋沢栄一翁が中心となった会館建設への寄付により、大正14年(1925年)、着工にこぎつけ、大正15年(1926年)竣工となった。

●設計:岡田 信一郎

※当時の埼玉県知事:齋藤守圀の友人だった

※大阪市中央公会堂や、東京府美術館、歌舞伎座、鳩山一郎邸(現鳩山会館)などの設計で知られる。

 


◆1.彩の国さいたま芸術劇場初代館長・諸井誠氏の時代

【1994年~2005年】~長期的な展望に立ったオリジナルで創造的な事業を実現~

諸井 誠氏
諸井 誠氏

■1994年10月、彩の国さいたま芸術劇場が開館

■1994年、埼玉県芸術文化振興財団が、「彩の国さいたま芸術劇場」と「埼玉会館」の管理を受諾

 

〈諸井誠氏〉

■昭和58年(1983年)の「第1回県民芸術劇場(仮称)基本構想検討委員会」から諸井誠氏は参画

■彩の国さいたま芸術劇場初代館長に就任(1994年)

■埼玉県芸術文化振興財団の芸術総監督に就任(1997年~2005年)

 

■埼玉県芸術文化振興財団の理事長に就任(1999年~2004年)

→「創造する劇場」「多彩」を理念に、広範な人脈を活かし国内外の一流アーティストを招聘した。

 

※諸井誠さんについてはこちらもご覧ください。

 


「1990年代は財団法人埼玉県芸術文化振興財団が設立されるに際し、中心的創設メンバーの1人として、彩の国さいたま芸術劇場初代館長に就任するのと平行して、1997年4月に芸術総監督に就任。1999年4月には、理事長を知事より禅譲される。(中略)

財団在任中の10年間には、1500を越える舞台芸術とかかわる各種公演を手がけ、RSCを招聘しての「リア王」(蜷川演出)等、シェイクスピア・シリーズを始め、ヴッパタール・タンツテアター(独)、NDT(蘭)、ラ・ラ・ラ・ヒューマン・ステップス(加)、ローザス(伯)等、海外の著名な劇団や名流舞踊団の招聘に尽力すると同時に、ピナ・バウシュやイリ・キリアンへの委嘱作品を世界初演し、多大な成果をあげ、第3回朝日舞台芸術賞グランプリ、読売演劇賞優秀作品賞などを受賞。

(諸井誠公式HPより)

 

「彩の国シェイクスピア・シリーズ(全37作品)①」
「彩の国シェイクスピア・シリーズ(全37作品)①」
「彩の国シェイクスピア・シリーズ(全37作品)②」
「彩の国シェイクスピア・シリーズ(全37作品)②」
「彩の国シェイクスピア・シリーズ」第4弾『リア王』・1999年9月23日~10月11日(RSC 共同製作)※日英両国で上演。右手の男性が真田広之さん。
「彩の国シェイクスピア・シリーズ」第4弾『リア王』・1999年9月23日~10月11日(RSC 共同製作)※日英両国で上演。右手の男性が真田広之さん。

 【演劇】

「彩の国シェイクスピア・シリーズ」(シェイクスピア全戯曲37作品を完全上演)

・「身毒丸」(蜷川幸雄氏演出)

・「源氏語り54帖」(54帖に及ぶ源氏物語をすべて朗読して聞かせ、解説するという壮大な企画)

・「拾年百日亭」(若手落語家の登竜門)

「ロイヤル・シェークスピア・カンパニー(RSC)」との共同制作

※彩の国さいたま芸術劇場5周年記念として、1999-2000年、イギリスの名門、「ロイヤル・シェークスピア・カンパニー(RSC)」と彩の国さいたま芸術劇場の共同制作で、『リア王』が日英両国で上演されました。

蜷川幸雄さん演出で、真田さんは「道化役」として、日本人でただ1人出演し、両国で評判となりました。

この公演は、日本の劇団がイギリスの劇場で劇を上演したというものではなく、イギリスの劇団の年間スケジュールの一つとして、RSCでシェイクスピア作品を演出した初の外国人演出家となり、英語で上演。さらに、RSC のイギリスの役者の中に一人の日本人役者が加わり、日本公演のあと、イギリスで4ヵ月間の長期公演を実現したのです。その意味で、 過去に例がなく、国際文化交流の点からも演劇史に残る画期的な試みとなりました。

 

【ダンス】 

1980 年代に台頭し高い評価が定着していたウィリアム・フォーサイス率いるフランクフルト・バレエ団や、イリ・キリアンのネザーランド・ダンス・シアター、ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団、ラ・ラ・ラ ヒューマン・ステップスなど、世界トップレベルの振付家やダンス・カンパニーを立て続けに招聘し、「ダンスの埼玉」の礎を築きました。

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団

・フランクフルト・バレエ団

・イリ・キリアンのネザーランド・ダンス・シアター【彩の国キリアン・プロジェクト】

・ラ・ラ・ラ ヒューマン・ステップス 

 

【音楽】

「ピアニスト100シリーズ」(音楽監督:中村紘子さん)

「彩の国グレート・バッハ・シリーズ」(鈴木雅明氏バッハ・コレギウム・ジャパン

・「彩の国ベートーヴェン・シリーズ」(埼玉会館)

「彩の国シューベルト・シリーズ」

 

【映像】 

「彩の国さいたま国際映画祭」

 


【ピナ・バウシュ2006年来日時のインタビュー】

【ピアニスト100シリーズ」

「ピアニスト100シリーズ」出演者一覧
「ピアニスト100シリーズ」出演者一覧

・・・・・・・・・・・

「僕には最初から、今日的な意味での創造活動を、あらゆる芸術分野の最高峰でやろうという野心があった。

「僕の考え方は、劇場=教会論。ヨーロッパに行くと、どんな小さな町にも中心部には必ず一つは教会がある。教会というのは祈りの場であると同時に、人が集まる場なのだと思う。劇場は、今日、教会のような意味を持つのではないか。

『編集長インタビュー305 彩の国さいたま芸術劇場館長・作曲家 諸井 誠氏』(週刊ダイヤモンド・1999年7月10日号)より

 

「今回このような大規模な公演を実現した彩の国さいたま芸術劇場の力を高く評価すべきだろう。

諸井誠の率いるこの劇場は、音楽などの面でも、長期的な展望にそった独自のプログラムを組み、高い評価を集めている。ピナ・バウシュの来日公演がそういう長期的なプログラムの中に織り込まれていくとしたら、これほど嬉しいことはない。

高い見識をもった芸術監督が独自の方針を長期的に追求していくという、当たり前と言えば当たり前のことが、残念ながらきわめて稀にしか行われていない日本では、さいたま芸術劇場の存在は貴重である。※浅田彰氏「ピナ・バウシュの魅力」より

 


2.蜷川幸雄氏の時代

【2006年~2016年】プロフェッショナルなクオリティと高い採算性を念頭に、また、人材育成にも尽力~

蜷川幸雄氏(撮影:細野晋司)
蜷川幸雄氏(撮影:細野晋司)

■埼玉県川口市出身

■1998年、彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督に就任

■2006年、埼玉県芸術文化振興財団の芸術監督に就任

 

【演劇】

・「彩の国シェイクスピア・シリーズ」

・「さいたまゴールドシアター」

・「1万人のゴールドシアター」

・「さいたまネクストシアター」

・音楽劇「ガラスの仮面」

・「彩の国さいたま寄席~四季彩亭」

 

【舞踊】

・ビナ・バウシュ、オハッド・ナハリン、ヤン・ファーブル等の国際的な振付家の作品

・コンドルズや「dance today」シリーズなど国内外で活躍する日本人アーティストの作品

・日本昔ばなしのダンス

 

【音楽】

・「ピアノ・エトワール・シリーズ」(若手ピアニスト)

・3年に渡り気鋭のアーティストにスポットを当てる「現在(いま)シリーズ」

・「次代へ伝えたい名曲」

・バッハ・コレギウム・ジャパン

 


3.近藤良平氏が3代目芸術監督に就任

2022 年4 月からは振付家・ダンサーの近藤良平を新たに芸術監督に迎え、第1 弾『新世界』をはじめとするジャンル・クロス企画やオープンシアター企画など、劇場の新たな魅力を発信する事業を展開。

 

【近藤良平氏】

東京都出身 ペルー・チリ・アルゼンチン育ち。

横浜国立大学教育学部卒業。

1996年に自身のダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ。

これまで世界約30ヶ国で公演を行いNYタイムズ紙で高く評価される。

TV番組出演、振付、演劇、映画出演など多数。

・NHK教育『からだであそぼ』内「こんどうさんちのたいそう」振付出演

・NHK総合『サラリーマンNEO』内「テレビサラリーマン体操」振付出演

・NHK連続テレビ小説「てっぱん」

・NHK大河ドラマ「いだてん」

 

(※詳細はこちらへ)

 


彩の国さいたま芸術劇場の歴史をたどってみると、芸術劇場のプログラムは長期的で多彩であり、日本の芸術劇場の中でもとても貴重な存在だと思いました。諸井誠さん、蜷川幸雄さんの大偉業に感動しました。