~上里町からウクライナへ 神社と人々が紡ぐ想いのかたち~
大晦日の夜、NHKの年越し番組『ゆく年くる年』(23:45~0:15)を見ていたところ、埼玉県上里町にある「上里菅原神社」が紹介されました。
『ゆく年くる年』は、全国各地の寺社や名所から除夜の鐘や初詣の様子を生中継で伝える、NHKの恒例番組です。その前身は1953年と翌年に放送された『除夜の鐘中継』で、今年で放送70回目を迎えました。
今回の放送は、東京・浅草寺を拠点に、京都・清水寺からスタート。上里菅原神社は、23時57分ごろに登場し、「世界の平和を祈る場所」として紹介されました。
神職を務める梅林テチャナさんはウクライナ出身。16年前に来日し、神道を学んで神職となった方です。
2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まってからは、祖国に残る親族や友人を思いながら、日々平和への祈りを捧げています。
神社の社殿には、戦禍の中で生きる人々の姿を描いた奉納画が約50点並び、境内の手すりには、平和への願いを込めた青と黄色のリボンが無数に結ばれています。
映像を通して、上里菅原神社が世界の平和を願う祈りの場であることが、深く伝わってきました。
梅林テチャナさんは、ウクライナ西部・ラヒフ(Ра́хів/Rakhiv)の出身身です。
キーウのボリス・グリンチェンコ・キーウ首都大学で日本語と英語を教えていた際、留学中だった梅林正樹さん(当時は禰宜、2021年12月に宮司に就任)と出会い、2009年に来日しました。
初詣の準備などを手伝ううちに神道に惹かれ、外国籍でも神職になれることを知ると、國學院大學で神職養成講習を受講。2020年、正式に上里菅原神社の権禰宜に任命されました。
2022年2月、ロシアによるウクライナ侵攻が始まると、故郷への祈りと応援の気持ちを込めて、ウクライナ語で「ウクライナに栄光あれ(Слава Україні!〈スラヴァ・ウクライニ!〉)」、英語で「ウクライナとともに(Stand With Ukraine)」と記した御朱印を制作し、神社の公式SNSで発信しました。
その思いに共感した多くの人々が御朱印を求めて神社を訪れ、支援の輪が広がっていきました。
上里菅原神社では、御朱印のほかにも、ウクライナの国旗にちなんだ青色と黄色のリボンを参拝者が境内の手すりに結ぶ取り組みや、近隣住民から奉納された青色と黄色の紙で折られた千羽鶴を飾ることで、平和を願う気持ちが境内全体に広がっています。
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※梅林テチャナさんについては
・政府広報オンライン「平和への祈りをしたためるウクライナ出身の神職」
・本庄経済新聞HP「埼玉・上里の菅原神社、ウクライナの平和願い御朱印投稿」
・本庄経済新聞HP「埼玉・上里のウクライナ出身女性ら、平和願い大野知事にヒマワリ届ける」
・本庄経済新聞HP「上里菅原神社で年越し神事 ウクライナ出身の権禰宜が世界平和を祈願」
※上里菅原神社
・ホームページ:https://tenjin.main.jp/index.html
・インスタグラム:https://www.instagram.com/tenjin.main.jp/
◆上里菅原神社(かみさと すがわらじんじゃ)
「上里菅原神社」は、帯刀(たてわき)の鎮守として祀られている社です。
平安時代のはじめ、菅原道真公が九州は太宰府で望郷の思いかなわず没した延喜三年(903年)2月25日、その御意を全国に広めるべく、陰陽博士(おんようはかせ)の紀友成(きのともなり)は、菅原道真公の御影を背負い日本回国の旅に出発し、同年5月25日、当地へお立ち寄りになりました。村人たちは村の鎮守とすべく道真公の絵姿を乞い、村内の清浄な地を選び小さな祠を建立し、併せて神代の神々より武夷鳥神(たけひなとりのかみ)、火雷神(ほのいかづちのかみ)をお祭りしたことが当社の創建と伝えられているとのことです。
◆水墨画家・尾高浩羽先生によるウクライナ支援
~本庄レンガ倉庫での「水墨画実演パフォーマンス」と「ウクライナ支援贈呈式」~
2023年1月、水墨画家・尾高浩羽(おだか ひろは)先生によるウクライナ支援の取り組みを紹介させていただきました。(※詳細はこちらをご覧ください)
同年1月15日(日)、本庄レンガ倉庫にて、中山英二さん率いるジャズミュージシャンによる『ニューイヤーコンサート2023』が開催され、尾高先生も特別出演。水墨画の実演パフォーマンスを披露されました。
パフォーマンス終了後には、「ウクライナの戦災弱者支援」のための寄付金贈呈式が行われました。
尾高先生がウクライナ支援のために描かれた「ひまわり」のアクリル画は上里菅原神社に奉納され、「ひまわり葉書」の売上金10万円が、梅林テチャナさんに贈呈されました。
こうした一つひとつの想いと行動が、芸術というかたちを通して祈りとなり、やがて戦禍の終わる日へとつながる希望の積み重ねであることを、心から願っています。















