2020年7月26日(日)金鑚神社(本庄市)にて中村民夫先生の天井画をみさせていただきました。

 

 

金鑚神社拝殿と茅の輪くぐり
金鑚神社拝殿と茅の輪くぐり

 

 

7月26日(日)金鑚神社(本庄市)におうかがいしました。

 

金鑚神社(かなさなじんじゃ)は、武蔵七党の一つである児玉党の氏神として信奉され、本庄城を築いた児玉党の末裔である本庄氏からの崇敬も厚かったです。本庄氏滅亡後に本庄城主となった小笠原信嶺も金鑚神社を深く尊崇し、金鑚神社を本庄の鎮守としました。

 

神社境内には、「夏越大祓(なごしおおはらえ)」の「茅の輪」が作られていました。

「茅の輪くぐり」の「茅の輪」は、疫病退散のシンボルで、茅の輪をくぐることで、無病息災になると伝えられています。

「夏越大祓」と「茅の輪くぐりについてはこちらへ

  

 

今回、金鑚神社におうかがいしたのは、先日お伝えした中村民夫先生の天井画を実際にこの目でみさせていただきたいと思ったからです。

「神輿殿(みこしでん)」は扉が閉まっており、あきらめかけていたところ、ちょうどその時、中山真樹宮司にお会いすることができて、特別に神輿殿を見せていただけることになりました。

 

 

◆金鑚神社御神輿と天井画「玉水双龍(中村民夫先生作)」

金鑚神社神輿と天井画
金鑚神社神輿と天井画

 

 

◆金鑚神社の御神輿

宝暦8年(1758年)大坂の細工人:宮屋鳥九郎兵衛によって製作された金鑚神社のお神輿
宝暦8年(1758年)大坂の細工人:宮屋鳥九郎兵衛によって製作された金鑚神社のお神輿

 

 

◆金鑚神社神輿殿の「四神図」(中村民夫先生作)

 

 

【東】青竜
【東】青竜

 

 

【南】朱雀
【南】朱雀

 

 

【西】白虎
【西】白虎

 

 

【北】玄武
【北】玄武

 

 

天井画は想像以上に大きく、迫力みなぎる龍は、まるでそこで息をしているようでした。

神輿殿の四方には、中村先生作の「四神画」(東「青龍」・南「朱雀」・西「白虎」・北「玄武」)が配置されていました。

 

中山宮司は、丁寧にご説明してくださいまして、特に、金鑚神社の宝暦11年作のお神輿や、現存する四神(しじん)の彫物の歴史的価値についてのお話はとても興味深かったです。

 

 四神の彫物について、昨年の2019年10月30日に、はにぽんプラザで行われた「本庄祭りと各町の展示物」の「仲町」のコーナーにおいて、中山宮司の言われた「四神」の彫刻が展示されていたことを思い出しました。(下記写真) 

 

 

 

◆金鑚神社所蔵の四神(玄武・青龍)

 

 

2019年10月30日はにぽんプラザにて展示されていた金鑚神社所蔵の四神彫物
2019年10月30日はにぽんプラザにて展示されていた金鑚神社所蔵の四神彫物

火災を受けて損傷が激しいため、現在祭典の際は彫物ではなく、「四神旗」が飾られているそうです。宮司はいずれ修復できたらというお気持ちを話してくださいました。

 

 

文政九年の「川越氷川祭絵巻」から、四神の彫物がかつてどのように神輿渡御の行列に加わっていたのかをみることができます。

 

「金鑚神社には神輿渡御に供奉する四神旗の柱頭に飾る青龍、白虎、朱雀、玄武の古い彫物が現存しており、『文政九年川越氷川祭絵巻』(1826)に描かれたと同じであり、金鑚神社の付け祭も文政期頃には既に行われていたことを物語っている。」(「本庄のむかし」P89柴崎起三雄より)

 

 

 

 

宮司の中山真樹様、このたびは特別にご配慮をいただきまして、ありがとうございました。

 

 

 

 

 


 

 

 


◆御神木クスノキ(埼玉県指定天然記念物)

 

 

◆狛犬

 

 


 

 

◆社号額

老中松平定信自筆の社号額
老中松平定信自筆の社号額

 

 

◆御由緒

 

 

◆拝殿

 

 

 

 


◆拝殿の彫刻

 

 

◆本殿

 

 

金鑚鑚神社の社殿は、本殿と拝殿を幣殿でつないだいわゆる権現造りとなっています。

各社殿のの建築年代と建築様式が異なっています。

 

◆建築年代

享保9年(1724)本殿

安永7年(1778)拝殿

嘉永3年(1850)幣殿

 

◆建築様式

本殿:流造(ながれづくり)

拝殿:入母屋造(いりおもやづくり)

 

 

◆幣殿(へいでん)の天井画

「本庄市の文化財~散策ガイドブック~」(本庄市教育委員会)より
「本庄市の文化財~散策ガイドブック~」(本庄市教育委員会)より

幣殿の格天井(ごうでんじょう)には、地元本庄宿の画家:武正南盧(たけまさなんろ)、小倉紅於(おぐらこうお)による天井画(花鳥画)が奉納されています。

 

 

◆神楽殿

文政14年(1821)に建立され、神楽殿
文政14年(1821)に建立され、神楽殿

金鑚神社の例大祭である11月3日には、神霊を神輿に移して渡御式(とぎょしき)の他、神楽殿では、地元の金鑚神楽本庄組による神楽奉納が行われます。本庄の「金鑚神楽」についてはこちらへ

 

 

◆大門

この大門の建立は、文化11年(1814)と伝えられています。

もともとは、金鑚神社の別当寺であった「金鑚山威徳院百蓮寺(かなさなさんいとくいんびゃくれんじ)」の総門でした。

本庄市指定文化財となっており、現在は、金鑚神社が管理されているとのことです。

 

 

◆大門の彫刻

(19世紀初期の作風)

 

 

 

 


 

 

◆手水舎の獅子

 

 

 

◆(境内社)琴平神社

琴平神社は、香川県仲多度郡琴平町の金比羅宮を総本宮とし、主祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)です。

水上交通の守り神とされ、江戸時代には、”一生に一度はこんぴらさん参り”と言われ、人気の神社だったそうです。

 

 

 

 

 

◆武州本庄七福神めぐり(恵比須尊)

金鑚神社には、武州本庄七福神めぐりのうち、「恵比須尊」が祀られていました。

 

本庄の七福神めぐりは、中山道本庄宿にある10寺院を巡るコースです(約4キロ)。

大黒尊天は2カ所、弁財天は3カ所あります。

 

大正院(銭洗い弁財天)・円心寺(福禄寿)・開善寺(布袋尊)・慈恩寺(銭洗い弁財天)・普寛霊場(大黒尊天)・安養院(毘沙門天)・佛母寺(銭洗い弁財天)・金鑚神社(恵比須尊)・泉林寺(寿老人)・城立寺(大黒尊天)

 

 

 

◆(境内社)八坂神社

 

 

 

 

 

 


金鑚神社境内社に「八坂神社」があります。

 

こちらの八坂神社には、西の「市神様」が祀られています。

市神様は、市場に祀られる神様で、市の取引の無事や幸福を与えらると信じられていました。

本庄宿には、本町の市神(東の市神)と新田町の市神(西の市神)があり、中山道の真ん中に祀られました。

明治33年(1900)に金鑚神社に移転され、現在は、宮本町・泉町が町内の氏神とされています。

八坂神社と市神様についてはこちらへ

 

 

 

「中山道最大の宿『本庄宿」の再発見」(北部地域振興センター本庄事務所)をもとに作成
「中山道最大の宿『本庄宿」の再発見」(北部地域振興センター本庄事務所)をもとに作成