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『本庄すまいる日和2025 -春夏版-』を戸谷八商店にて開催させていただきました。

~本庄歴史探訪 老舗15代目が語る『利根川文化圏からみた本庄宿と渋沢栄一翁』~

 


◆戸谷八商店での「本庄すまいる日和2025 -春夏版-」

 【開催日】 :

1. 2025年5月11日 (日) ①10:00~11:10/②13:30~14:40

2. 2025年5月21日 (水) ①10:00~11:10/②13:30~14:40

 

 【場所】 :

戸谷八商店(埼玉県本庄市中央1-7-21)

 

 【テーマ】 :

「本庄歴史探訪 老舗15代目が語る『利根川文化圏からみた本庄宿と渋沢栄一翁』」

「公益」の志を生涯貫いた渋沢栄一翁。その背景には、『論語と算盤』の精神だけでなく、利根川文化圏ともいうべき、この地方に深く根づいた風土の影響も強く感じられます。

戸谷八の歴史的建物などの見学に加えて、栄一翁と縁が深い旧家「諸井家」に関連する場所(戸谷八の近く)を皆さまと一緒に歩いたあとに、「利根川文化圏」の魅力について、皆様と分かち合えればと思います。

 

※「本庄すまいる日和」については、「本庄市HP」のこちらをご覧ください。) 

 


先日、戸谷八商店にて『本庄すまいる日和』の一環として、「本庄歴史探訪 老舗15代目が語る利根川文化圏からみた本庄宿と渋沢栄一翁」をテーマにゼミを開催させていただきました。

 

「本庄すまいる日和」とは、本庄市がもっている豊かな自然、歴史、伝統や文化などの観光資源を活かして、本庄の魅力を新たに発見していこうという体験型観光プログラムです。

ゼミの後には、戸谷八商店の歴史建物見学も行いました。

 


◆利根川文化圏

北関東の「利根川文化圏」
北関東の「利根川文化圏」

利根川流域の「黄色箇所」は、太古からの利根川の度重なる流路の変更と氾濫によって堆積物が積もってできた小高い土地「自然堤防」です。

 

「利根川文化圏」~渋沢栄一翁、尾高惇忠、桃井可堂、諸井恒平等 その精神の源流~
「利根川文化圏」~渋沢栄一翁、尾高惇忠、桃井可堂、諸井恒平等 その精神の源流~

「利根川の水運」と「中山道」が並行する北関東のこの地域は、交通・交易の要衝であり、自由で開放的な空間でもありました。

特に、「中瀬河岸」はその象徴的な場所で、生活必需品から地域特産品、さらには秩父の材木までが集積し、活発な交易が行われていました。

こうした交易を通じて、地域経済は潤い、たくさんの情報が行き交うことで、そこに住む人々の知識や視野を広げる上でも重要な役割を果たしたのです。


さらに、北関東のこの地域は、約450年前、上杉氏・北条氏・武田氏という三つの大勢力が争う関東最大級の紛争地帯でもありました。後ろ盾のないこの地域に住む人たちは、絶え間ない戦乱の中で、自らの知恵と工夫で生き延びねばなりませんでした。その結果、この地域に住む人たちには、「自主独立の精神」と、「弱者への思いやり」、そして「亡くなった仲間たちへの慰霊の心」が育まれていきました。

 

このような自由で開放的な精神風土、「利根川文化圏」が、渋沢栄一翁をはじめとする多くの先覚者たちを輩出した土壌となったのではないかと考えております。

 

※利根川文化圏については、よろしければこちらの記事もご覧ください。

 

【利根川河岸絵図】

「利根川河岸絵図」①(1937年、群馬県立図書館蔵)に加筆
「利根川河岸絵図」①(1937年、群馬県立図書館蔵)に加筆
「利根川河岸絵図」②(1937年、群馬県立図書館蔵)に加筆
「利根川河岸絵図」②(1937年、群馬県立図書館蔵)に加筆

◆本庄すまいる日和 ~当日の様子~


◆愛宕神社(本庄)にて

愛宕神社(あたごじんじゃ)は旧開善寺境内にある古墳上に祀られています。神殿に至る石段の左手にあるケヤキはご神木とされており、本庄市の天然記念物に指定されています。

 

神社横には、諸井時三郎(春畦)氏によって揮毫された『敬神』碑があります。

時三郎氏は、書の大家です。西川春洞(にしかわ しゅんどう)に師事し、妻の諸井華畦(かけい)氏とともに、「春洞門七福神」と称され、明治書道会の会長をつとめ後進の育成に尽力されました。

 

※時三郎(春畦)氏の兄が、秩父セメントの創始者である諸井恒平(もろい つねへい)氏です。渋沢栄一翁とは親戚関係にあたります。

 


◆戸谷八稲荷にて


 

本庄すまいる日和にご参加いただき、ありがとうございました!

 

先日開催した「本庄すまいる日和」へご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

利根川の水運と中山道が交わるこの地が、古くから交通・交易の要衝として、そして人々の交流の場として賑わってきた歴史を感じていただけましたら幸いです。

 

今回の講座にご参加くださった方の中に、本庄市ご出身で、郷土史家であり、元小中学校の書道の先生でいらっしゃった故・北沢文武先生に書道を習っていらっしゃった方がいました。北沢先生を深く尊敬され、そのご縁で長年書道を続けてこられ、現在は、書道の師範の資格をお持ちとのことです。

 

◆北沢文武先生のご功績

北沢文武先生は、1935年に現在の本庄市である埼玉県児玉郡旭村にお生まれになり、埼玉大学をご卒業後、33年間にわたり小中学校の教壇に立たれました。教員としてご活躍される傍ら、郷土史の研究に情熱を注がれ、『明和の大一揆』や『石川三四郎の生涯と思想』など、数々の著書を世に出されました。その功績により、第一回文化ともしび賞や第一回積惟勝記念教育賞などを受賞されています。2019年には、北沢先生の教え子の方々によって追悼集『あの旋律の彼方(かなた)に』が出版されるなど、今なお多くの人々に慕われている先生です。

(※北沢文武先生については、よろしければ、こちらの記事もご覧ください。)

 

また、本庄を代表する画家である故・中村 民夫先生とは遠いご親戚だというお話も伺え、大変嬉しく思いました。

 

◆「本庄まちゼミ」と新たなカラー書道教室のご案内!

(左)次回の本庄まちゼミにおいて戸谷八商店でカラー書道教室を開催してくださる先生。
(左)次回の本庄まちゼミにおいて戸谷八商店でカラー書道教室を開催してくださる先生。

そしてこの度、北沢文武先生に師事され、書道の師範でもあるこの方が、次回の「本庄まちゼミ」において、戸谷八商店でカラー書道教室を開催してくださることになりました!(※詳細はまた改めてお知らせいたします。)

 

さらに、近々、本庄市で新たにカラー書道教室を開設される予定とのことです。

本庄の地で新たな一歩を踏み出されること、心から尊敬し、応援しております。

 

利根川文化圏であるこの地域では、渋沢栄一翁をはじめ、栄一翁の父である市郎右衛門、さらにおじに当たる渋沢誠室、本庄宿では、諸井春畦(時三郎)諸井華畦(春畦の妻)など、多くのすぐれた書道家を輩出しています。

 

カラー書道という新たな表現を通して、この利根川文化圏で育まれた書道の豊かな伝統が受け継がれ、さらに発展していくことを楽しみにしております。

 

本庄の歴史と文化が繋ぐ素敵なご縁に感謝しつつ、カラー書道教室の開催を今からとても楽しみにしています。

 

このたびは、本当にありがとうございました!

 


◆岐阜県から中山道の街道巡りをされている人がご訪問くださいました。

5月3日には、岐阜県から中山道の歴史に関心をお持ちの方々が、中山道巡りの旅の途中で戸谷八商店にお立ち寄りくださいました。誠にありがとうございました!

 


◆「本庄すまいる日和 2025 -春夏版-」のパンフレット